「光をすくう器たち – パート・ド・ヴェールと過ごす、五月のひととき」
- アトリエMONO
- 5月1日
- 読了時間: 3分
更新日:5月12日
アトリエの窓辺に、やわらかな光が差し込む季節になりました。5月の空は、どこか凛としていて澄んでいます。そんな“五月晴れ”の光を、ガラスの器にそっとすくい取るような気持ちで、この季節は作品づくりをしています。
パート・ド・ヴェールは、粉状のガラスを型に詰めて焼成する、古くから伝わる技法です。繊細な作業ではありますが、その分だけ、光を通したときの表情はとても豊かです。
たとえば、淡い水色やレモン色の器を窓辺に置いてみると、差し込んだ陽の光が器の中でふわりと溶けて、小さな虹のような影を落としてくれます。
私はいつも、その影を見るのが楽しみです。完成したガラスの“向こう側”に現れる色やかたち──
それは、作った本人にも予想がつかない、小さなご褒美のようなものかもしれません。
時折、「初めてなんですけど、体験できますか?」とガラスに興味を持ってくださる方が、アトリエの扉を開けてくださいます。
もちろん、大丈夫です。初めての方でも、色の選び方や型への詰め方から、ゆっくりご案内しています。パート・ド・ヴェールは、見た目の華やかさに反して、とても静かで、心の落ち着くものづくりです。
焼き上がったガラスにそっと光が差し込む瞬間──それは、日常の中にあるちょっとした感動です。ガラスを通して“光と影の美しさ”に気づけるようになると、季節のうつろいも、いつもと少し違って見えてくるかもしれません。
この5月、そんな静かな時間を一緒に過ごしてみませんか?
アトリエMONOでお待ちしています。
Capturing Light – A Gentle Moment with Pâte de Verre in May