― ガラスの中に息づく光と物語 ―
- アトリエMONO
- 5月19日
- 読了時間: 2分
更新日:5月22日
皆さんは「パート・ド・ヴェール」というガラス技法をご存知でしょうか?
フランス語で「ガラスの練り粉」という意味を持つこの技法は、古代エジプトに端を発し、アール・ヌーヴォーやアール・デコの時代に再評価され、現代では“ガラスで絵を描く”ような繊細なアートとして愛されています。
パート・ド・ヴェールの最大の魅力は、独特のやわらかく、温もりのある質感にあります。
透明感がありながら、どこか陶器のようなマットな手触り。そして、ガラスの内部に溶け込むような色の重なりやグラデーション。それらが光を受けて、時に神秘的に、時に幻想的に輝きます。
この技法では、まず彫刻や粘土で原型を作り…
…その上から耐火石膏で型を取り、細かく砕いた色ガラスを詰めて焼成します。高温でガラスがゆっくりと溶けて型の中に流れ込み、冷却後に型を壊して取り出すことで、一つひとつが世界にひとつの作品として生まれるのです。つまり、まったく同じものは二度と作れないという、一点ものならではの魅力。時間と手間がかかる分、完成したときの喜びはひとしおです。このコラムでは今後、パート・ド・ヴェールの魅力や、初心者の方でも作品づくりを楽しめる理由、教室の様子などを、少しずつご紹介していきます。ガラスの中に閉じ込められた、世界でたったひとつの物語に、あなたも触れてみませんか?
What is Pâte de Verre?
― Light and Stories Encased in Glass ―